加齢臭

【医師監修】体臭の主な原因6つと身体の不調からくるニオイとは?食事や生活習慣を改善して対策をしよう

日本人はニオイに敏感だと言われています。自分が臭くないかと気にする人が多いため、ドラッグストアなどに消臭スプレーやクリームがたくさん売られています。今回は体臭について、どんな種類があるのか原因と対策について解説していきます。

体臭の原因はどんなものがあるの?体臭予防・対策6つを知っておこう

2018年10月15日更新

工藤孝文 先生 (医師)

[1] 体臭の原因となる汗

体臭の原因となる汗
体臭とは主に皮膚についた雑菌に汗や皮脂、埃に含まれる成分が分解されて発生した成分が臭うものです。人の皮膚には、体温を調整する役割がある汗を分泌する「汗腺」と、皮膚を潤わせて保護する役割をする皮脂を分泌する「皮脂腺」があります。

汗は体温を調整する働きを持ちますが、体温が上がると汗腺から汗が出て、汗が皮膚から蒸発することで高くなった体温を下げます。また、ストレスを感じたときや辛いものを食べたときにも汗をかきます。

皮膚にはたくさんの種類の雑菌が付いています。それを皮膚常在菌といい、皮脂腺から分泌された皮脂や水分と混ざり合い皮膚膜についています。汗や皮脂が分泌され、皮膚常在菌と混ざり合いタンパク質や脂質、アミノ酸などの成分が酸化して分解することで、ニオイを発する成分になるのです。

エクリン腺から出る汗

暑いときや運動をしたときにかくサラサラの汗は、エクリン腺という汗腺から分泌される汗です。エクリン腺から分泌される汗は塩分や尿酸、アミノ酸の他は99%が水分です。ほとんどが水分の汗ですが、時間がたつと肌についた汗に汚れがつき、菌が増殖しやすくなってアミノ酸などが分解されることで体臭が気になるようになります。

アポクリン腺から出る汗

緊張した時やストレスを感じる時にかく汗はアポクリン腺から出る汗です。アポクリン腺から出る汗はニオイの元になりやすい脂質、脂肪酸、タンパク質などの成分を多く含みます

そして、アポクリン腺は主にわきの下や陰部付近にある腺で、動物が発するフェロモンに似た役割を果たしていると考えられる独特なニオイを発します。アポクリン腺も汗をかいたばかりのときはニオイがしませんが、肌に付着したままにしておくことで皮膚に付いている常在菌によりニオイを発生させることになります。

[2] 体臭の主な原因

口臭

口からのニオイは、ニンニクなどのニオイが強い食品を食べたときや、アルコールやタバコの刺激物を摂取した時に一時的に発生する場合があります。その他には、胃腸などの内臓疾患からの口臭や歯周病、虫歯などの口腔の病気が原因の口臭もあります。

頭皮のニオイ

頭皮のニオイ
頭には皮脂腺が多く、加えて角質細胞がはがれてフケが発生しやすい場所です。頭皮臭であるアルデヒド類や皮脂のニオイが混ざったニオイが、髪の毛の中にこもりやすく吸収されてしまうため、ニオイがきつくなりがちです。

わきのニオイ

わきの下にはアポクリン腺が集中しています。アポクリン腺からは汗の他に脂質やタンパク質が分泌されるので、そのままにしておくとそこに菌が付着してニオイの元になります。ワキガの人は、一般の人よりもアポクリン腺が多い、またはアポクリン腺からの汗の分泌が人よりも多い体質の人です。

足のニオイ

足の裏にはエクリン腺が多くあります。そのため、足は1日にコップ1杯の汗をかくので靴の中で汗をかき、蒸れることでニオイが発生します。夏でなくても、足の裏から出た汗が靴の中で蒸れて菌が繁殖することで、嫌なニオイになるのです。

加齢臭

加齢臭と聞くと男性に多く発生するニオイだと思われる人が多いでしょう。しかし、加齢臭は女性にも発生するニオイです。加齢臭の原因はノネナールという物質ですが、これは、皮脂腺から分泌されるパルミトレイン酸と過酸化物質と混じることで作られる物質です。

若い人には作られない物質なので、加齢臭と言われるようになりました。女性ホルモンには汗を抑える働きがあるのですが、閉経を迎えると女性ホルモンが低下するため汗をかきやすくなり、加齢臭が発生するのです。

[3] 身体の不調が原因の体臭

皮膚炎

皮膚炎が原因でニオイを発する場合があります。皮脂の多い部分に起きる脂漏性皮膚炎は、頭皮、わきの下、背中や胸の中央部分、顔のTゾーンなどによく発症します。皮脂が過剰に分泌され、皮膚が赤くなってかゆくなります。そして、フケのようなものが発生して脂っぽい皮脂臭がします。

糖尿病

血液の疾患である糖尿病は血液中に血糖が多くなりすぎてしまう病気です。血糖のバランスが悪くなると、ケトン体ができてそれが血液中でアセトンという物質になります。このアセトンは独特な砂糖のような甘いニオイがしますが、糖尿病により甘酸っぱい体臭になります。

その他に、糖尿病の症状には腎臓機能を低下させる症状があります。この場合、体臭はアンモニアのようなニオイになります。

魚臭病

食事をしたあとに、食べたものを消化するためのトリメチルアミンが分解されないで汗や息から発散されてしまうことを魚臭症といいます。原因は、生まれつきトリメチルアミンを分解するための酵素が欠落しているためとされています。

後天的にも肝機能障害や「肝機能低下による原因もあります。この場合、体臭が魚臭くなります。

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう状態になることを「甲状腺機能亢進症」といいます。甲状腺ホルモンには新陳代謝を活発にする働きがあるため、甲状腺ホルモンが過剰になると基礎代謝が高まることで汗をかきやすく、皮脂の分泌も活溌になることがあります。汗と皮脂が多く分泌されると皮膚の常在菌が繁殖し、体臭を発生させます。

便秘

便秘
体臭の原因のひとつに便秘があります。腸の中に便が長い期間留まっていると便から発生されるガスが体内に吸収され、それが皮脂や汗と一緒になり便の腐敗臭のような嫌な体臭を発生させます。

胃・腎臓・肝臓などの内蔵不調

胃腸が不調になると、食べ物を消化・吸収する機能が弱まって食べ物が腐ったようなニオイを発生させます。また。腎臓が悪くなると尿の量が減って溜まった血中に溶け出すため口臭や体臭がアンモニアのニオイがします。

そして、体内の有害物質を無害化する働きを持つ肝臓が悪くなると、有害物質の分解が滞るため汗や口から嫌なニオイを発するようになります。

疲労

身体が疲れることで体臭が臭くなることがあります。疲れると肝臓機能が低下するので体臭がアンモニア臭になることがあり、これを疲労臭といいます。

[4] 体臭を予防・対策

運動不足にならないように身体を動かす

汗腺は汗をかかないことが続くと、機能が低下して汗の質が悪くなります。近年はエアコンの普及で夏でも汗をかくことが減ってきています。普段から汗をかくことが少ない人は、ウォーキングをするなどして適度な運動をして汗をかくようにすることが大切です。

アルコールを摂りすぎない

アルコールやタバコを摂取すると、これらがニオイを発する物質が含まれているため体臭の原因となることが分かっています。しかしそれだけでなく、アルコールやタバコを摂取することで、その成分が血液に溶け出して身体中を巡るため、汗とともにニオイが発せられるため体臭がきつくなると言われています。

日頃からアルコールとタバコを摂取している人は控えてみましょう。

食生活を改善して腸内を整える食べ物を摂る

食べるもので体臭の元になるものがあります。それは脂っこいものや肉、魚などのタンパク質で、それが皮脂量を増やすので皮膚の雑菌が繁殖しやすくなるのです。そして、タンパク質は分解されるとアンモニアなどの強いニオイ物質を発生すること、脂肪も分解されて脂肪酸となるためニオイを発する原因になります。体臭を抑えるためにはタンパク質や脂肪が多く含まれているものを控えるといいでしょう。

腸内を整えるためには食物繊維、乳酸菌が含まれているワカメやめかぶなどの海藻類、ヨーグルトを積極的に食べるといいでしょう。そして、ビタミンやミネラルは汗に結びつく原因である過酸化物質の発生を抑える働きがありますので、野菜などビタミン、ミネラルが含まれる食品を食べるようにしましょう。

ストレスをためない

人はストレスを感じると汗をかきます。緊張すると手のひらに汗をかくのがそれです。そして、ストレスは活性酸素を体内に発生させるのでニオイの原因になります。ニオイを発生させないためには、ストレスをためないようにしておくことが大切です。

入浴で汗を流す

入浴で汗を流す
汗をかいて体臭がするのを改善するためには、毎日入浴して身体をキレイにしておくことが大切です。湯船にしっかり浸かって身体中の血行を良くして汗をかき、老廃物が排出することが重要です。特に緊張しやすい人はアポクリン腺からの発汗を抑えるために、お風呂でリラックスして交換神経を整えましょう。

入浴の際に身体を洗う石鹸は、殺菌成分が配合されている物を使用して身体を丁寧に洗いましょう。強くこすると肌を痛めてしまうので、優しくこするようにすることが大事です。洗ったら石鹸成分が残らないようによく流します。

汗をかいたらこまめに拭く

汗をかいたらそのままにしておかないで、こまめに拭くことが大事です。汗をそのままにしておくと、ゴミや菌が付着してニオイの原因になってしまいます。ニオイが発生するまえに市販の殺菌作用がある汗ふきシートで拭き取るようにしましょう。また、外出するときには制汗剤を使用するのもおすすめです。

汗が服にしみこむと、雑菌が繁殖してニオイの原因になってしまいます。また、服にしみこんでしまうと、身体の汗を拭いてもニオイが取れなくなってしまうので、汗をかいたらできるだけ早く拭きましょう。

[5] 病気を疑ったら医療機関へ

体臭への対策をいくら講じても改善しない場合は何かの病気かもしれません。前述しましたが、内蔵系の病気の場合、口臭や体臭が臭くなることがあります。また、虫歯や歯周病でも口臭がひどくなることがありますので、気をつけましょう。

自分では気づかない病気で体臭がひどくなっている場合もあるかもしれませんので、不安を感じたらすぐに医療機関へ行くことをおすすめします。

これからの季節、汗をかくことが多くなります。必要に応じて汗対策グッズを上手に取り入れて爽やかな毎日を過ごしましょう。

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